デニス=レヘインでもデニス=ルヘインでもいいらしい。
それはともかく。
この本を読んでいたらこんな記述があった。
「この世には、ケヴィン・ハーリイや、太っちょフレディ・コンスタンティンや、今朝の新聞で読んだ、三人の子供をネズミだらけのアパートに置き去りにして、新しいボーイフレンドと楽しい四日間の旅行に出かけた母親のような人間があふれている。」
これはこの小説の主人公、私立探偵のパトリック=ケンジーの独白の部分である。
人は自分の経験を過大評価する。パトリックはこのような人間を多く見てきたのだろう。だからこのような人間があふれていると思っている。
だが事実はどうだろうか。そんな人間があふれているだろうか?もちろんそんな人間はいるにはいるのだ、少なからず。しかし、どう見ても「あふれている」と言われるほど多くはないと思う。彼が自分の経験に基づいて「あふれている」というのなら、わたしも自分の経験に基づいて「それほど多くはない」という。
善良な人々100人が築き上げたものをたった一人の悪人が、たった一つの悪行が叩き潰すということは事実であろう。だが数的には、この世の中には悪人や悪行よりもはるかに、善人や善行のほうがあふれているのである。
posted by nasty_habit at 11:07| 東京 ☀|
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