2008年09月16日

イージーな入門書

「90分でわかる○○」というシリーズがある。○○には哲学者の名前が入る。カントやウィトゲンシュタイン、プラトン、ニーチェなどだ。

カントやウィトゲンシュタイン、プラトン、ニーチェなどを「90分」でわかるわけがない。

端的に言って、この書名は詐欺である。が、詐欺でも重要な有効性がある。どのような有効性か?「90分でわかるキルケゴール」よりサルトルに言及した部分を引用する。

サルトルは1940年にフランス軍に従軍したさい、感じたという。第二次世界大戦はすべて自分に責任がある、と。

なんという崇高な自己中心主義であろうか!(サルトルは本当の知識人だったのだろう。そうでなければ、こんなことをいえるはずがない)

このような自己中心主義を抱けば、心を鼓舞し、道徳的意識を高めることはできるかもしれない。だが、世界と向き合って何か行動するときに、そんなものが役に立つとは思えない。

けれども、キルケゴールの求めていたことは、まさに心を鼓舞することだった。


手軽に読める本でも、心を鼓舞することに役立つなら、読んでも悪くない。「90分でわかる○○」なんて反吐がでるようなタイトルだが、それでも心が鼓舞されるなら、捨てたものでは、ない。
posted by nasty_habit at 11:19| 兵庫 ☔| Comment(1) | TrackBack(3) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする