2018年05月23日

松本清張を読み返す「熱い絹」

「熱い絹」(『熱い絹』上・下 講談社文庫)。

「松本清張を読み返す」といっても、清張の膨大な著作の中にはわたしのまだ読んでいない作品もある。その一本がこの「熱い絹」だった。

わたしにとっての清張の魅力の一つは、わたしが生まれる頃か、その数年ほど前の日本の風景である。加えて、わたし自身が基本的には自分のことにしか興味のない人間で、そのわたしと無縁の外国にはまったく興味がわかないといったところがある。なので、マレーシアを舞台としたこの小説を今日まで避けていたのだ。買ったのも数年前にブックオフでである。

さて、その内容であるが、『松本清張事典』(志村有弘・歴史と文学の会共編)において「本線の周辺に多くの関連事件を輻輳させた余り、結末の収束不十分」と評されているように、面白く読んだものの、清張の作品としては「ものすごくよかった」という部類には入らないのではないかと思った。また、郷原宏著『松本清張事典決定版』においては「構成は屋や荒削りだが、雄大なストーリー展開とマレーシアの美しい自然描写が楽しめる」とされているように、そういった興味のある人にはもっと面白く感じられるのかもしれない。
posted by nasty_habit at 06:00| 東京 ☀| Comment(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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